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出世する人と歴史の関係

いつもお読みくださり、ありがとうございます。



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こんにちは。ねこまるです。

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今回は私が長いこと感じていることについて書いてみたいと思います・・・。

新聞記事の写真は4月19日(木)日本経済新聞夕刊のものです。
ヤマハの中田卓也社長のお話ですが、中田さんは20代の頃、山岡荘八さんの小説『徳川家康』全26巻を読破され、そこで得たものがその後の職業人生においても役立ったと語っておられます。

経済新聞という性格もあるかもしれませんが、日経新聞にはこういう、経営者や社長さんのような、組織の頂点に上り詰めたような方のインタビュー・読書遍歴などが掲載されることが多々あります。私みたいな、「人の上に立つ」ということと全く縁のない人間がいうのも大変恐縮ですが、どうも各界でトップに立ったような、いわゆる「人の上に立つ人」は歴史に大なり小なり関心がおありのような気がします

 日経新聞には他にも「リーダーの本棚」というコラムもありますが、登場される多くの方が、愛読書として歴史小説などを挙げておられます。現実に立ちはだかる問題に対して、内容は異なるにせよ同じような苦しい状態を過去の成功者がどのように乗り越えたかなど、先人から学ぶことが多いからでしょう。

これまで私も、経営者の方や組織の頂点に上り詰めた方の自伝や評論などの本を多く読んできましたが、例えば社長さんにまでなったような立場の方で、「歴史に興味ゼロ」という方を私はあまり目にしたことがありません。

歴史への関心というのは、過去に生きた「人間への関心」と言い換えることもできると思います。
上長としてまわりから尊敬される人というのは、部下の人たちなど一人ひとりの人間に対して興味・関心を持てる人でしょう。
組織のリーダーの大きな仕事は、仕事の目的・目標実現のために他人を動かすことです。他人に動いてもらうには、彼らについて十分な理解又は理解しようと努める姿勢が必要ですし、コミュニケーションも大切になってくるはずです。
逆に自分という人間に全く関心を持ってくれないような上司を尊敬してついていこうという人は多くないはずです。
各界のリーダーの多くが歴史に関心を持つということは、こうした他人を思う資質と関係があるように感じます。

ここまではよく言われることかもしれませんが、私がずっと感じていることというのはここからです。

近年は日本でも女性が活躍できる社会の環境整備が進められています。
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日本の企業で、管理職以上に出世する女性が国際的に少ないということはよく知られています。
しかしこれから各界で指導者層として活躍する女性はどんどん増えていくと思います。
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写真は航空自衛隊で女性武官として、初めて現役中に将官(空将補)に任命された柏原敬子さん(2013年退官)

ところが女性の歴史への関心は、男性と比べて高くないというデータがあります。
調査②
公民についても同様です。どうも社会科については女性よりも男性の方が関心が高い人が多いようです。

以下は教員免許取得者における、教科別の男女別構成割合です。

平成28年度 「学校教員統計調査」(高等学校)より(抜粋) 数字は%
教   科    
           
国語    
専修   2.0 3.8
1種   8.4 18.7
地理歴史
専修   3.0 1.1
1種   13.5 4.9
公民
専修   2.4 0.8
1種   13.1 4.7
数学
専修   3.9 1.1
1種   14.2 6.0
理科
専修   4.3 1.9
1種   11.1 5.6
家 庭
専修   0.0 1.4
1種   0.2 9.5
英語
専修   2.0 3.0
1種   10.2 19.8

平成28年度 「学校教員統計調査」(中学校)より(抜粋) 数字は%

教科  
 
国語  
1種 8.9 18.5
2種 0.6 1.5
社会
1種 18.3 5.8
2種 0.9 0.5
数学
1種 20.4 8.3
2種 0.9 0.6
理科
1種 17.2 7.3
2種 0.4 0.2
英語
1種 10.0 21.0
2種 0.4 1.3
他外国語
1種 0.2 0.4
2種 0.0 -

そもそも、社会科(地歴・公民科)を教える教員の割合も男性が多いです。理系教科も男性が多いです。逆に語学系の教科の教員は女性が多くなっています。大まかに性別による得意・不得意はあるといえるかもしれません。
紫式部や清少納言を持ち出すまでもなく、言葉のセンスについては女性の方が上ということでしょうか。私の学生時代を思い出しても、確かに英語や国語が一番得意という生徒は、同級生も含めて女子の方が男子よりも多かったように思います。
私には姉が一人いますが、小学生の頃から国語と英語はやっぱり得意でした。現在では英語ペラペラです。
帰国子女ではありません。大学時代からホームステイや留学で身に付けてしまったようです。(ちなみに私は全く英語はしゃべれません(^^;))

私は学習塾や高校で歴史の授業をさせてもらうようになって今年で通算15年目になりますが、
歴史が抜群にできる女子生徒もいる(当ブログをお読みの女性の方もこうした学生だったのでしょう)一方、歴史なんて、本当に全く関心がないというような生徒には、男子よりも女子の方が多いという実感があります。
模擬試験などの成績を始め、これまで様々なデータを見てきましたが、私の感覚では、おおむね歴史の学力の下位5%の生徒は、その過半数を女子生徒が占めていたということが多かったように思います。

念のためお断りしておきますが、私は女性の社会進出に反対だとか言いたいわけでは全くありません。

私は歴史を人に伝えることを仕事にしており、この仕事を始めた動機で最大のものは「歴史の面白さを伝えたい」という気持ちです。ですので上記のような男女間で歴史の成績・歴史への関心に差があるというようなデータを目の当たりにすると、これはなぜなんだろう??と思わずにはいられないのです。

考えられる一つは、女性が歴史的に家庭内の仕事をこなすいわゆる「主婦」の役割を担ってきた時間が長かったことでしょうか。
多くの主婦の方にとっての最大の関心事は、自分と家族のことだと思います。組織内での生産活動のように、他人を動かして仕事をこなすということのない状況です。なので関心の方向が他人よりも自分(と家族)に向きやすいということは考えられます。
過去に生きた、自分とは無関係な膨大な数の「他人」について勉強しなければならない歴史という科目は、関心の中心が自分である人にとっては面白いものではなく、むしろ苦痛であるというのは理解できます。

しかし社会人・組織人として人の上に立つという立場になったら、自分のことにしか関心がないというのでは務まらないでしょう。
上でご紹介した自衛隊の元空将補、柏原さんの大学(関西学院大学卒)での専攻は存じませんが、文字通り自衛隊の元「将領」として、確固たる歴史観をお持ちであるに違いありません。

男性・女性に関係なく、先人たちの人生の集積ともいえる歴史を学ぶことは、将来各界のリーダーになるうえで大切な素養になりうるということは言えるんじゃないか、なんて思ったりします。

ということで、今回言いたいことをまとめると、
「これから社会で活躍していく児童・生徒のみなさ~ん!歴史を勉強することは将来とっても役に立ちますよ~!!」
ということです(笑)

歴史に興味がなさそうな生徒が、前を向いて授業を聞いてくれるよう試行錯誤を繰り返す一歴史科講師のつぶやきでした。



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コメント

安倍首相の座右の書は、イギリス首相だったチャーチルの伝記だそうです。

子供の頃から歴史が好きな子もいますが、
大人になってから、歴史に興味を持ち勉強する人と多い気がします。

私のweb記事にも書きましたが、高校生くらいまでの歴史の勉強は受験勉強と割り切っていいのではないでしょうか。その詰め込んで眠っていた知識が、大人になって勉強したくなった時、生きてくればと思います。

HIRO様

コメントありがとうございます。
受験勉強の中でも、歴史の面白さ、楽しさを感じてもらえるような授業ができればと思っています。

ねこまる

ねこまるさん、こんにちは。
「何のために歴史を勉強するのか?」とても素晴らしい問題提起だと思います。
答えの一つは、ねこまるさんのおしゃるとおり、「過去の人物の生き様を学んで自分の人生の糧とする」ということだと私も思います。
ただ、歴史を学ぶ意義は他にもたくさんありそうです。これを語るだけで一つブログを立ち上げたくなるくらいです(笑)
例えば、「人間の性質を知ること」。日本史では、三世一身の法の結末(三代目になると田畑が荒廃した)、世界史では、世界恐慌の結末(各国が自国中心主義に陥り、さらに恐慌を深刻化させ、第二次世界大戦を招いた)などは、特にリーダーが学ぶべき重要な教訓を含んでいると思います。

続きです

他に、私がぜひ提起したい「歴史を学ぶ意義」は、「教養を深めることにより世界が広がること」です。
まず、世界史はあらゆる科目の基礎となる科目だと思います。政治や経済はもちろん、思想、美術、音楽、文学のほか、科学や数学なども歴史では扱います。ということは、歴史に精通していることはあらゆるジャンルにわたる知識を持っているということになります。
そうすると、様々な地域、色々な趣味・嗜好を持った人々と会話し、心を通わせることが出来る素養を持っているということだと思うのです。このことは、ビジネスを成功させる上でも、人生を豊かにする上でも大きな武器になるものだと思います。
ですから、やはりねこまるさんもおっしゃるとおり、歴史を勉強することは大変意義があるものだと思います。

しゅうしゅう様

コメントありがとうございます。
今回の記事は、これまでずっと思っていたことなんです。毎年歴史の授業をしていて、一部の女子の歴史への関心の低さはかなり気になっていました。しかしこうした意見は女性差別と受け取られかねず(そんなつもりは本当にないのですが(^^;))発言は控えてきたのですが、ある意味炎上覚悟で掲載しました。しゅうしゅうさんのおっしゃる通り歴史は、いろいろな意味で学ぶ価値のあるものだと思います。私の授業を受けてくれる生徒たちには少しでも歴史の面白さを知ってもらい、自身の豊かな人生の糧としてほしいと思っています。

確かに世界史は他の科目の基礎的なものがたくさん学べますよね。自分が高校生の時は高2で必修科目でしたが、まだ文系、理系に別れていない高1で世界史を必修科目にすればいいと思うですけどね。世界史も必修科目から外れるらしいですが。

ただ、1年間だけ世界史Bを必修にしても中世までいくのがやっとですからね...。

HIRO様

世界史を教えているのに何ですが、何で日本史を必修にしなかったんだろ、とは思います。グローバル化とか言っても、自分の国の歴史も満足に説明できないのはちょっと恥ずかしいです。まあ、近現代の必修化という政府の方針には賛成ですが。

ねこまる

世界史Bに代わり、世界史と日本史の近現代を融合した歴史総合という科目が必修になるんですよね。

日本史、世界史、どちらを必修科目にするかというのは、現場サイドで議論されているようですが、実際、必修科目にしてもそれを受験科目に使わなければ、高校生は本気で勉強しないと思うんですよ。

歴史総合という科目は、日本史Aと世界史Aの融合科目なので、ほぼ非受験科目の扱いですよね....。

個人的には面白い科目だとは思いますが...。

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プロフィール

ねこまる (tms358)

Author:ねこまる (tms358)
歴史能力検定の日本史1級に8度、世界史1級に4度合格しています(2018年1月現在)。
普段やっていることなどをつらつら書いています。
宜しければ読んでみてください(^^)

本題とは無関係ですが、ねこ、うさぎが好きです。
今はいませんが、いつか
一緒に暮らせたらいいなと思っています。

※画像のうさぎは歴検と何の関係もありません。
 以前一緒に住んでいたうさぎのイメージでございます(スミマセン)

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